糖尿病について

糖尿病について

なぜ糖尿病になるのか?

 

旧石器時代の人類に比べて、現代人の寿命はとても長くなりました。
遺伝的にも生理的にも、何ら変わりがないのに…です。
なぜだと思いますか?

その理由は、こどもの死亡率低下と健康の向上です。
つまり、文明の進歩によって事故や病気を乗り越えられるようになったからに過ぎません。

人類は旧石器時代から現代に至るまで、エネルギー源を効率よく摂取するために「脂肪」と「糖質」を探し求めてきました。
それらを含む「動物脂肪」「季節野菜」「果実の糖」に有りつけるまでには、相当な体力と時間を使って探し回るしかなかったはずです。

竪穴式住居

冷蔵する術もない訳ですから慢性的な食料不足だったでしょう。
それゆえ人類には、生き延びるために「エネルギー源を “体脂肪” として蓄える仕組み」が備わっているのです。

人類 数百万年の歴史で「農業」や「酪農」をするようになったのは、ここわずか1000年です。
現代人は、狩猟や採取という “活動” をすることなく、加工された脂肪や糖質に囲まれた生活をしています。

…にもかかわらず私たちの遺伝子は、現代では有り得ない「飢餓」に備えて脂肪を蓄えようと働きます。
だから、肥満になったり糖尿病を発症したりするのです。

もし人間の身体に「体内に脂肪を蓄えない仕組み」が作られるとしても、それはまだ4万年から7万年先の進化の過程でしょう。

体脂肪

祖先と私たちとの栄養源の違い

 

祖先と私たちでは、脳機能には何の違いもないのに栄養源の割合が大きく変化しています。

摂取する「三大栄養素」の内訳を比べると、、、

  • 祖先の食事
    脂肪 75% 炭水化物   5% タンパク質 20%
  • 私たちの食事
    脂肪 20% 炭水化物 60% タンパク質 20%

…となっています。

炭水化物

人類が生きていくには、エネルギー源「ブドウ糖(グルコース)」が必要です。
ブドウ糖は炭水化物(糖質)から合成されますが、「農耕」が始まる以前は炭水化物を摂るのは困難でした。

それゆえ人類は進化の過程で、脂肪やタンパク質からでも必要に応じてブドウ糖を作り出す「糖新生」という機能を身に付けたのです。

ちなみに「糖新生」は、炭水化物からブドウ糖を合成するのに比べると、より多くのエネルギーを使うことにはなります。

 

糖尿病発症のメカニズム

 

血中のブドウ糖は、すい臓から分泌されるホルモン「インスリン」によって全身の細胞内に送り込まれエネルギーとして使われています。
その機能が正常に働かなくなった状態を糖尿病といい、発症のメカニズムは以下の通りです。

糖尿病

  1. 炭水化物や加工食品を摂取すると、血糖値が急上昇します。
  2. 血糖値を下げようと、すい臓がインスリンの分泌をより盛んにします。
  3. 血中にインスリンが増えると、細胞は細胞膜に存在する「インスリン受容体」の数を減らします
  4. すると、細胞内にブドウ糖が取り込まれなくなり、血中にブドウ糖が余ってしまいます。(血糖値が下がらない状態)
  5. すい臓が血糖値を正常に戻そうと過剰に働いて、インスリン分泌量をさらに増やします
  6. この状態が長く続くと、たとえ血糖値が正常になっても血中「インスリン値」は上昇を続けるようになります。
  7. やがて、すい臓が最大のインスリンを分泌しても、細胞が「インスリン抵抗性」を備えて働かなくなります

以上が「Ⅱ型糖尿病」発症のメカニズムです。

ちなみに「Ⅰ型糖尿病」は、生活習慣とは関係のない先天性の自己免疫性疾患などが原因です。

 

恐ろしいのは糖尿病による合併症

 

病気

ブドウ糖が細胞内に取り込まれずに血中に過剰に存在すると多くの問題を引き起こす。
それはまるでガラスの破片に傷つけられるかの様に、失明・感染症・神経損傷・心臓疾患・アルツハイマーなどに至ります。

どの時点で「糖尿病スイッチ」が入るかは遺伝にも関係しています。

 

 

ページトップへ